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【Deep.Sky.Camp 2024春】in いわき鬼ヶ城に行ってみた! [天体観測&イベント]

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今月12日から14日亘り、いわき市の【鬼ヶ城】で開催された恒例の【Deep.Sky.Camp 2024春】に参加してきました。今回の注目イベントは何と言っても【ポン・ブルックス彗星】&【ω星団】の目視観望です。今回コメントはできるだけ控えて(いつもオフレコ発言も記事にしてしまうので・・・(・_・;)。)写真を中心にその様子を少しだけお伝えしたいと思います。

今回も宿泊場所は本館【ききり荘】北側のコテージです。集合時間より早めに到着する予定なので、昼食は手弁当。と言うのも週末に別客の大宴会の予約があるそうで、昼食対応が出来ないとのことから、久々にピクニック気分で特大のおにぎりを作って持参しました。自分で言うのも何ですが、大自然の中で頬張るおにぎりは格別に美味かったです。

本日の参加者は、主催者の小沼さんと我が同好会から舟越さん、寺岡さん、萩谷さん、そして私。その他に鶴田さんとNさん、そして何と飛び入りでNさんの息子さんが参加する事になりました。萩谷さんは仕事の都合で合流するのがだいぶ遅くなるとの事。Nさん一行は翌日からになります。

さて気がかりなのはお天気模様ですが、到着時は曇っておりましたが、次第に晴れてくるとの予報なのでまずは一安心。観望場所はいつもの風車前の空き地になります。南側が開けていて地平線近くまで見通すことが出来ます。ここなら【ω星団】もバッチリ拝めそうです!萩谷さんは一度山梨で観たことがあるそうですが【M13】の2倍強ぐらい大きい印象だったとか・・・うむ~益々見たくなりますね!

さて到着してから皆さんとの再会のご挨拶済ませた後は、早速ウッドデッキに出て、持ち寄った機材で地上観望しながら光学談議に花が咲きました。

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上の写真は、舟越さんが自作した【40mm軸外し反射望遠鏡】です。手作り感満載と言った趣ですが、予想以上に良く見えます。然も驚くことに反射望遠鏡にも拘らず、斜鏡の影響を排除できるため有効最低倍率まで下げられるという優れものです。(スペック等詳細は舟越さんのホームページ⇒https://violetzebra3.sakura.ne.jp/をご覧下さい)

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覗いているのは寺岡さん。観え味はどうですか?

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持参したMasuyama(マスヤマ)アイピースで観望中の小沼さん。

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熱心に覗き込んでいるのは都内からお越しの、あの伝説の【御神体】=【300mmフローライト屈折望遠鏡】を所有されている鶴田さん。

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これは寺岡さんの1群3枚の自作アイピース。レンズの枚数が少ないので抜けは抜群!自作とは思えない観え味に驚いてしまいました!

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【40mm軸外し反射望遠鏡】はどんな風に観えるのか?ちょっと試しにスマホで撮影してみました。若干はみ出しておりますが…m(__)m 舟越さん曰く星を観ると原理的に【非点収差】が現れるそうです。でももっと大型化したら、夏の天の川観望に威力を発揮しそうですね。

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私が持参した、以前ブログで紹介したセレストロンの5mmアイピース。レンズ清掃中に一部のレンズを割ってしまったので、スマイスレンズ他を取り払った約25~26mmの2群4枚?の改造アイピース。周辺部はともかく抜けは悪くありません。

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寺岡さん持参の【賞月観星100°13mm】アイピース。全周見回すのは大変です!

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私が持参した自作の【プロジェクターレンズ屈折望遠鏡】に上記の100°アイピースを装着して覗き込んでいる小沼さん。恐ろしいくらいの視界の広さにびっくりです!

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各自持ち寄った色々なメーカーのアイピースを交換し、それぞれの印象を述べながら、大勢で見比べするのも実に楽しいものです。

さて時間が迫ってきたので、本館で夕食を済ませた後、機材のセッティングの為に観望場所まで移動しました。

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空模様はこんな感じです。

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小沼さんに【ポン・ブルックス彗星】を双眼望遠鏡で覗かせて頂きました。光度はだいぶ下がっていましたが、しっかりと尾を確認することが出来ました。

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舟越さんの愛機【7インチ・クエスター】

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私は電視観望用の機材をセッティングしました。【SharpCap】の新機能である【ライブスタッキング】を試してみたのですが、残念がら少々期待外れの結果に終わりました。

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寺岡さんの愛機、【スカイウォッチャー】の14インチ 自動導入ドブソニアン望遠鏡。実はこの約350mmの望遠鏡にスマホ・ホルダーを装着して、私のスマホで【M13】球状星団を撮影してみたら驚くべき結果に・・・?寺岡さんもその写り具合には驚いたご様子でした。

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明日、他の天体で再チャレンジさせて頂こうと思います。

その後、夜中の11時頃から雲行きが怪しくなってきたので、全員撤収する事にしました。萩谷さんも合流したので、お酒を飲みながら暫し星空談議に花が咲きました。

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小沼さんが【SeeStar50】で撮影した系外銀河の画像。左右の違いが分かりますか?右のほうがより暗い星々が沢山写っていますね。秘密はバーディノフマスクでAFピント出し~ヘキサゴンマスクで撮影するらしいです。

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小沼さんは直近に発見された新星…【さそり座V1723 Sco 】の光度変化を撮影したり、その他にも枚挙に暇がない程、日々の星空に関する探究心たるや物凄いものがあります。この点に関しては萩谷さんも絶賛しておりました。私も同感です。毎回お話しているだけで新しい目から鱗の発見があり、自然と知識が身に付いて大変勉強になります。

さて明日に備えて今日はそろそろこの辺でお開きにしますか。

翌日、少々寝不足気味でしたが、朝方5時半頃起床しました。デッキから外を眺めるとこんな珍しい光景が!

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まるで雲海のようです。何となく今日は予報通りお天気は良好になる予感。

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午前中は舟越さんの講義があるので、準備に余念がない小沼さん(右)

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今回の講義は前回に引き続き【天体望遠鏡のスターテスト概要ー第14章】《非点収差》です。舟越さん自作の【軸外し反射望遠鏡】の収差とも関連がある当にタイムリーなお話です。その他にも【Stranger than Fiction!】Neil English著~単焦点アポクロマートと長焦点アクロマートの比較~要点解説の2本立てで大変興味深い講義となっています。

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いや~今回も大変勉強になりました。長年疑問に思っていた問題の答えに漸く辿り着くことが出来ました。感謝感激です!

本館で昼食を済ませてから、機材のセッティングまで間があるので、皆さんとお互いの機材を比較しながら又もや光学談議に花が咲く!

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鶴田さんが購入予定の双眼望遠鏡用に購入した、ケンコーの【 AZEQ6GT-J NEWスカイエクスプローラー 】赤道儀です。何と実売の約半額で売られていたそうでにわかには信じられません。本当ならまるで宝くじに当たったみたいですね。

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丁度【PENTAXー75 ED HF Ⅱ】が載せられていたので、十数種類のアイピースで見比べをしました。小沼さんは【Docter optics】のアイピースの観え味に甚く感銘を受けたようで、夜になって舟越さんが海外サイトで検索したら、同一商品が2千数百ユーロで出品されていることが判明。でも現在のレートで日本円に換算すると20万円越え・・・ゲッ!【ニコン】の高級アイピース・NAVシリーズが2本も買えてしまう・・・一同絶句!

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舟越さんが眺めているのは、小沼さん所有の【ライカ】製ZOOMアイピース。この他にも高級アイピースが目白押し。普段お目にかかれない高級アイピースを覗かせて頂き私も大満足!

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舟越さん所有の【Brandon】アイピース(今は入手困難でかなりの高級品ですね!)も【クエスター】との相性はバッチリでした。

PS
舟越さんから【Brandon】アイピースに関する追加情報があり、実は【国際光器】さんで取り扱っているそうです。高級品であることは間違いありませんが。

その後、今夜の観望会の機材準備の為に、いつもの会場である風車前に移動しました。

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私が所有しているケンコーの普及価格帯の双眼鏡【ミラージュ7】(10倍&視界6.5度)を小沼さんに観て頂いたのですが、概ね高評価を頂きました。私が買ったのは記憶が定かではありませんが、8年前ぐらい前?だったと思います。ですが、当時の購入価格は4千円弱(激安!)と記憶しています(調べたところ今は1.5倍ぐらい高い)。そう考えると今後も更に価格が上昇する可能性も予想され、今でもハイC/P製品であることは間違いないと思います。それから、上の写真の小沼さんが桜材を再利用して自作した【双眼鏡】用の架台も秀逸ですね!私が持参した普及価格帯の双眼鏡でも、固定をすると驚くほど細部が明瞭に観えることに改めて気付かされました。やはり望遠鏡のみならず、土台となる【架台】は永遠の【課題】ですね・・・(/ω\)。

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その後、本館で夕食を頂きました。今回も支配人の小松さんを始めスタッフの皆様方、いつもながらのを有難うございました。因みに毎回(たぶん私だけかも?)ご飯はお茶碗3杯欠かさず頂きました。何故って?美味しいからに決まっているでしょう!

その後観望会場に移動して、各自持参した愛機をセッティングに取り掛かりました。Nさん親子も程無くして合流し(Nさんはこの前の米国【皆既月食】イベントに参加されたの事です。)更に賑やかな観望会を呈してきました。

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明るいところで眺める【7インチ・クエスター】は更に神々しいですね!

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左の摘みを回すと【バローレンズ】&右の摘みを回すと【ファインダー】に切り替えることが出来て、あらゆる意味で機能性と外観の美しさが高度に融合した【唯一無二】の逸品であることが分かります。Nさんも言っておられましたが、精緻で他鏡に観られるような所謂【白飛び】が全く発生せず、陰影(コントラスト)が明瞭で只々見惚れてしまいます!参考までに、私が持参した双眼装置を付けて、同じく持参した鏡筒【Mak127sp】と比較しながら覗かせて頂いたのですが(比較するのも恐れ多いのですが)、こんな普及機の双眼装置でも、まるで間に何も無いかの様な素晴らしい鋭像を観ることが出来ました。これは観ているだけで幸せになれる言わば【芸術品】ですね!

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程なくして、Nさんと息子さんが合流。息子さんはタカハシの60mm?鏡筒と【AZ-GTi】&【ASI294MC】CMOSカメラで電視観望&撮影に挑むようです。

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鶴田さんも準備万端なようですね!

幸い4月にしては珍しく晴れ渡り、気流も安定した晴天に恵まれ、素晴らしい観望会になりました。
只、残念な事にお目当ての【ω星団】を殆どの参加者が目視で確認することが出来ませんでした。

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(Nさんのご子息の撮影中の様子。【ω星団】がハッキリと写っていますね。)
電視観望ではしっかりと捉えることが出来たようですが・・・?高度が低い(約5.5°)と光害の影響も重なって目視のハードルは予想以上に高いようですね。私の観望位置は木陰に隠れて、残念な事に全く撮影することが出来ませんでした。

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小沼さんは、持参した【導入支援装置】を駆使して観望中です。【Sky safari】等の天体シミュレーションソフトと連携して、視野内にある対象が直ぐに判る?機材のようです。

私は寺岡さんと協力して、昨日の【スマホ撮影】に再挑戦しました。

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【夜景モード】+【天体写真】ONの状態で【M53 子持ち星雲】を約1分間撮影。ピントが合っているので、短時間でもこれくらいは写ります。

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ピントは合っていませんが、撮影時間約4分間の画像がこちらです。

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続いて【M97】ふくろう星雲です。同じく撮影時間は約4分です。下はタイムラプス動画です。

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次はこと座の【M57】環状星雲です。撮影時間は上記とほぼ同じです。拡大すると中心星まで写っているのは驚きです!

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更に【M27】アレイ星雲です。Nさんも言っておられましたが、色合いが自然なのは正直ビックリですね!

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【M10】ソンブレロ星雲はこんな感じです。中央の暗黒帯も明瞭ですね。

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おおぐま座の座の【M81】は渦の様子もしっかりと写っていますね。

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最後に撮影が困難と思われる【網状星雲】です。静止画ですが高度が低いので、寺岡さんも撮影は難しいと言っておりましたが果たして・・・?うっすらと確認できますね。撮影時間を延長できれば更に明瞭になると思われます。スマホでここまで撮影できるとは正直驚きました。私の機材で更なる検証に挑戦してみたくなりました。

最後に、今回の遠征で電視観望が上手くいかなかった原因が判明しました。

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左側と下側に見られる縞模様とここには映っていない、四角い赤い囲み線が画面内を移動して対象を確認できない現象です。CMOSカメラを換えても同じ現象が発生するので、多分ソフトウエアの問題だと予想しておりましたが、案の定そうでした。右中央やや下の【自動位置合わせ(惑星/銀河)】がONになっていたことが原因でした。ご参考までに。

こうして有意義な観望会が終了しました。また皆さんと再会できる日を楽しみにしております。
















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